銭湯デビュー
実は土曜日、タロー、銭湯デビューをしてきました。
谷中の「朝日湯」さんです。
もう昔のようにお風呂の中でそそうすることもなくなっているし、
他のお客様にご迷惑をおかけする心配もそうないのでは…と、
それでもおそるおそる足を踏み入れました。
入ってすぐ、番台さんにお金を払うとき「3人?」と聞かれました。
そういえばこの時はじめて気づいたのですが、お風呂屋さんには「幼児以下」料金というものがあるんですね。
“赤ちゃんはタダ”というのに慣れてしまっていて、思わずハッとしてしました。
ちなみに赤ちゃんは80円でした。
番台のお父さんに怪訝な(に見えた)顔をされながら、うわずる声で「じゃ、あとでね!」と夫に別れを告げ、
いざ、脱衣所へ。
この日の朝日湯は混んでいて、脱衣所にもけっこう人がいました。
とりあえず空いているロッカーを探していると、ヘルメットみたいなドライヤーをかぶっているおばさんの
ひそひそと「知らないのかしら」という声が。
ぇえぇ~、何を~!!??と心の中で叫びながら、コソコソ荷物を台の上に置いていると、別のおばさんが、
「そこ、そこの台。引出しあけると布団入ってるから!」と、今まさに荷物を置いた台の下の引出をあけて、
小さな布団を取り出してくれました。
「これ。赤ちゃん寝かしていいからね。(布団は)誰も使ってないから好きなだけ使うといいよ」
その台は、なんとベビーベッドだったのですね。
おばさんたちのアドバイスのもと、無事に私もタローも全裸となり、さぁ、ついに浴場へ。
タローは、張りついた小ザルのようです。
空いている場所を探して、とりあえずタローを床に座らせる。
きれいじゃない、と敬遠する人もいると思いますが、母の神経は図太いのでそこは気にしない。
転倒して頭を打つほうが怖いので、安定した床座りのほうがいいかなと。
まずはひざに乗せて、いつものようにタローを洗う。
顔、頭、体と、順調に洗い終わり、今度は私自身を洗おうか…という時になり、
隣に座っていたおばさんたちが
「お風呂入れてきてあげようか」と声をかけてくれました。
最初はその申し出を理解するまでに少し時間がかかりました。
「入れてきてくださるって、湯船にですか…?」と聞き返してしまったほど。
初めて出会ったのに。湯船に!赤子を!
でも少し考えて、別にいいのか。変な人たちじゃなさそうだし。連れ去られるわけじゃないし。
「お願いします」という言葉がすぐに出ていました。
おばさんたちはタローを抱っこして、湯船に連れて行ってくれました。
熱かろうと、水のカランをひねって湯温調節をして。
その様子をチラチラと気にしながら、母はババババと洗ってしまい、ちょうど洗い終えたところで
タローの「ふぇ~」という声が。
どうやらやっぱりちょっと熱かったのか、不安だったのか、ともかくおばさんたちに連れられて
3分ぐらいで戻ってきてしまいました。まだちょっと早かったか。
そのあとは床座りでご機嫌にひとり遊びをしながら、私が終了するまで待つことができました。
最後にもう一度湯船に、今度は一緒に、10数えるだけ浸かってお風呂を出ました。
気にしすぎだったのかもしれないけれど、番台のおじさんにはじまり、脱衣所や浴場に入った瞬間、
みんなの目が一斉に注がれる気がして、緊張しました。
でもこちらも慣れてくると、みんな小さい子を気にしてくれてるんだということがわかり逆に安心感もありました。
こんな小さな赤ちゃん、そんなに来ることも多くないだろうし、かと言って生活の場だから
妙に馴れ馴れしいのも変だしで、一見そっけなく見えたのかもしれません。
ドキドキのお風呂デビュー。
でも楽しかった!
暑い夜だったのでまた気持ちもよかったし。
ひと月に1回ぐらいのペースで行けたらいいなぁと考えています。
子どものころの「公衆浴場」の思い出を作ってあげたいんですね、個人的に。
銭湯はまだ、昭和の香りが残っている気がします。
大人になった時にある種ノスタルジーを伴って思い出すといいなぁ。
以上、銭湯体験記でした!
2011年5月23日